※ 先にお伝えしますが、この記事内には、グロテスクな写真が掲載されていますので、ご注意下さい。
人が亡くなったあとの埋葬の仕方は、国 / 宗教 / 土地柄 / 伝統などによって、それぞれ違うと思います。
日本やバリ島では 火葬 が一般的ですが、バリ島では、日本の様にお墓が作られることは少なく、火葬をした後は遺骨を海に流すなど、それぞれの場所で埋葬やお葬式の風習が違っています。
その他、イスラム教では 土葬 が多く、インドではガンジス川に流す 水葬 など、様々な埋葬の仕方があります。
バリ島内でも、変わった埋葬の仕方を伝統として受け継いでいる村があり、その中でもとても興味深かったのが、風葬 です。
遠い昔、沖縄や奄美諸島でも風葬が行われていたそうですが、時代の流れと共に、現在は無くなってしまったそうです。
今でも風葬が行われているのは、バリ島の北東部にある トゥルニャン村 (Trunyan) で、以前から興味があったので、思い切って訪れてきました。
なかなか、観光で簡単に行ける場所ではありませんが、本当に興味のある方は、ご自身の目で見に行かれてみてはいかがでしょうか?
目次
バリ島で今だに風葬が行われている、トゥルニャン村ってどんな所?
トゥルニャン村があるのは、バリ島北東部のバトゥール地区で、バトゥール湖の麓にある小さな村です。
バトゥール地区には、バリ島唯一の景勝地である キンタマーニ高原 が広がり、山や湖の美しい景色を堪能することが出来ます。
この時は、前日にキンタマー二周辺に泊まったので、綺麗な朝日を見ることが出来ました♡
トゥルニャン村や、風葬されている墓地を訪れる際の注意点
トルニャン村はトラブルが多く、色々と注意しなければいけない事があります。
- 必ず、現地のガイドと一緒に行くこと
- 村には物乞いが沢山居ること
- 風葬の場所から、何も持って帰ってはいけない
- 昼間に行くこと ・・・など。
バリ島のトゥルニャン村で受け継がれている風葬を、見学する方法
バトゥール湖の周りを散策していると、途中でガイドらしき人に声を掛けられ、トゥルニャン村の墓地について聞いてみた所、村は途中で行き止まりになり、風葬を見学するにはボートに乗らなければ行けないと言う!
そのガイドらしき人に同行を頼み、ボート乗り場へ行く為に、村の中を進みます。
村はのどかで、景色もとても綺麗でした。
ボート乗り場に到着すると、ジャカルタから来たとゆう男性に会ったので、3人でボートを相乗りすることにしました。
ボートは、エンジン付きや手漕ぎボートがあるようですが、値段はきちんと決まっていない様子で、交渉が必要でした。
料金は、手漕ぎボート1台 450,000ルピア / 約 3,600円 でした。 (安いのか高いのか、よく分かりません・・・)
トゥルニャン村で風葬されているお墓は、不思議なエネルギーに満ちた神聖な場所
トルニャン村の風葬が見学出来る墓地は、ボートで約15分ほどの距離でした。
「ようこそ、トルニャン村のお墓へ」と書かれた看板と共に、白骨化した頭蓋骨が置かれた入口に到着しました!
想像も出来ない風葬の文化・・・ 正直、ここまで来てちょっとビビってました・・・
手を合わせてから、意を決して中に入ると、墓地は広場のようになっていて、すぐ右手に1本の大木がありました!
タルムニャン と呼ばれる香りの強い木で、この木の香りが、遺体の腐敗臭を消すと言われています。
実際には、木の香りは感じられませんでしたが、確かにお墓の周りで腐敗臭などは感じられませんでした。
大木の少し奥には、白骨化した頭蓋骨が並べられ、コケが生えた見るからに古い物から、まだ髪の毛が付いた新しい物までありました。
ちなみに、新しい頭蓋骨ほど、色が白いんだそうです。
左手には、竹で覆われたお墓があり、この時は6体の遺体が埋葬されていました。
お墓の周りにある物は、亡くなられた方が生前に愛用していた物だそうです。 生々しい雰囲気です。
ここで、遺体が風化されるのを待ち、完全に白骨化されると、頭蓋骨の部分だけを墓地に並べる 又は 自宅に持ち帰るんだそうです。
頭蓋骨以外の骨はその辺に放置されているので、足元には無数の骨が転がっていました・・・
ちょっと衝撃的な光景だったので、さすがに写真は控えました。
墓地内は、気味が悪いといった印象はなかったですが、正直、ちょっと恐怖心はありました!
輪廻転生を信じるバリヒンドゥー教の、死に対する教え
バリヒンドゥー教では、輪廻転生 を信じています。
輪廻転生とは、1つの命が終わると、魂はまた別の命へ宿っていくと信じられています。
その為、身体はあくまでも借り物なので、亡くなったあとは価値が無くなっていくんだそうです。
日本人の常識では信じられませんが、顔以外に布がかけられた遺体が、本当にただ置いてあるだけでした。
これが風葬なんだと受け入れるのに少し時間が掛かり、遺体を凝視することは出来ませんでしたが、白骨化した遺体や、数週間前に埋葬されたような、真新しい遺体もありました。
ちなみに、この墓地で風葬が出来るのは、寿命を迎えて亡くなられた方 のみだそうです。
自殺、事故、独身者、子供などは、別の場所に埋葬されるそうです。
ジャカルタから来た男性は、頭蓋骨を手に持って記念撮影などをしていましたが、人様のお墓にお邪魔している訳ですから、ここを訪れるなら、やはり尊敬や謙遜の気持ちを忘れてはいけない気がしました・・・
早々に引き上げ、入口で寄付金を渡し、トゥルニャン村へ帰りました。
村に着いてからは、待ってましたとばかりに村人達が寄って来て、手を差し出されました。
※ お金をあげるも、あげないも、個人の自由です。
何だか、衝撃的な経験をしましたが、気持ち悪いとか不気味・・・ と言った感覚はなく、1つの村の伝統として、神聖な印象を受けました。
まぁ正直、もう1度行きたいかと聞かれたら、私は「NO」ですけど! (苦笑)
興味のある方は、自己責任で行かれてみてはいかがでしょうか。